夜になるとネットが遅い?原因と今すぐできる対策をわかりやすく解説
こんにちは、スピーディア技術満足室です。
「昼間は普通に使えるのに、夜になると急にネットが遅くなる…」という経験、ありませんか?動画が途中で止まったり、ページの読み込みにやたら時間がかかったり。仕事の後にゆっくりネットを楽しみたいのに、これではストレスが溜まりますよね。
実はこの「夜だけ遅い」問題、光回線を使っていても起こることがあります。そして、多くの場合は原因がはっきりしていて、対策もあります。
今回は、夜にネットが遅くなる原因を整理したうえで、お金をかけずにできる対策から、根本的な解決方法まで、段階的にご紹介していきます。
【そもそも、なぜ夜だけ遅くなるの?】
まず「回線速度」について簡単におさらいしておきましょう。
光回線の「最大1Gbps」「最大10Gbps」といった数字は、あくまで理論上の最大値です。実際に出る速度(実効速度)は、時間帯や利用環境によって変わります。ベストエフォート型と呼ばれる仕組みで、「最大限努力しますが、常にその速度が出るとは限りませんよ」という意味です。
夜間に速度が落ちる最大の原因は、ネットワークの混雑です。
イメージとしては、道路の渋滞に近いです。朝の通勤ラッシュで高速道路が混むように、夜の19時〜21時あたりにインターネットのトラフィック(通信量)はピークを迎え、昼間の2倍近くになることもあります(参考:総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果(2025年5月分)」)。
みんなが一斉に動画を見たり、ゲームをしたり、SNSを使ったりするわけですから、回線が混み合って速度が落ちるのは、ある意味当然のことなんです。
【遅くなる原因は大きく3つ】
夜間の速度低下には、主に3つの原因が考えられます。それぞれ対策が違うので、まずは自分がどれに当てはまるかを確認してみてください。
■ 原因①:自宅のWi-Fi環境の問題
意外と多いのが、実は回線ではなく自宅のWi-Fi環境がボトルネックになっているケースです。
古いルーターを使っていたり、ルーターの設置場所が悪かったり、近所のWi-Fiと電波が干渉していたりすると、速度が出にくくなります。特にマンションやアパートでは、周囲の部屋のWi-Fiと電波帯域が重なって混雑することがあります。夜間に周囲の住人もWi-Fiを使い始めることで、この干渉がさらに顕著になります。
確認するには、パソコンをLANケーブルでルーターに直接つないで速度を測ってみてください。有線で十分な速度が出るならWi-Fi環境の改善だけで解決できる可能性が高いです。
■ 原因②:回線そのものの混雑(マンションタイプ)
マンションにお住まいの方は、建物内の回線を住人で共有している場合があります。特にVDSL方式(電話線を利用する方式)だと、最大速度が100Mbpsに制限されていて、それを複数世帯で分け合うことになります。夜は住人が一斉にネットを使うので、速度が目に見えて落ちることがあります。
この場合は、自宅の設備だけでは解決が難しいこともあります。ただ、最近は集合住宅でも光配線方式への切り替えが進んでいるので、管理会社に確認してみる価値はあります。
■ 原因③:インターネット全体の経路の混雑
上の2つに当てはまらない場合は、自宅からインターネットに出るまでの経路のどこかが混雑している可能性があります。
光回線は「回線事業者」と「プロバイダ」の2つで成り立っていて、回線自体には余裕があっても、インターネットへの接続経路上で混み合うことがあります。特に従来のIPv4 PPPoEという接続方式を使っている場合、夜間にこの経路が混雑しやすい傾向があります。
速度測定サイト(fast.comやスピードテストなど)で昼間と夜間の速度を比べてみて、有線接続でも夜間に大幅に速度が落ちる場合は、この経路の混雑が考えられます。この場合はIPv6(IPoE)方式への切り替えが有効な対策になります(詳しくは後述します)。
【お金をかけずに今すぐ試せる対策】
原因がわかったところで、まずはコストゼロでできる対策から試してみましょう。これだけで改善するケースも意外と多いです。
■ ルーターを再起動する
「それだけ?」と思うかもしれませんが、ルーターは長期間電源を入れっぱなしにしていると、内部のメモリが溜まって動作が不安定になることがあります。電源を抜いて30秒ほど待ってから再度入れるだけで、速度が改善することがあります。月に1回くらいの再起動を習慣にするのがおすすめです。
■ ルーターの設置場所を見直す
Wi-Fiの電波は、壁や家具で弱くなります。床に直置きしていたり、テレビの裏に隠していたりすると、電波が届きにくくなります。
できれば部屋の中心に近い場所、床から1メートルくらいの高さに設置するのが理想です。電子レンジや水槽の近くも電波干渉の原因になるので、離して置いてみてください。
■ 接続する周波数帯を変えてみる
Wi-Fiには2.4GHz帯と5GHz帯の2種類があります。2.4GHz帯は壁を通りやすいですが混雑しやすく、5GHz帯は速度が速いですが壁に弱いという特徴があります。
ルーターの近くで使うなら5GHz帯に切り替えるだけで速度が改善することがあります。スマートフォンやパソコンのWi-Fi設定で、SSIDの末尾に「5G」や「A」がついているものを選んでみてください。
■ 使っていない機器のWi-Fiを切る
最近の家庭には、スマートフォン、タブレット、スマートスピーカー、ゲーム機、テレビなど、Wi-Fiに接続している機器がたくさんあります。使っていない機器のWi-Fiをオフにするだけでも、通信の安定性が上がることがあります。
【もう一歩踏み込んだ対策】
無料の対策を試しても改善しない場合は、少しだけ投資することで大きく変わる方法があります。
■ IPv6(IPoE)接続に切り替える
これは効果が大きい対策のひとつです。
従来の接続方式(IPv4 PPPoE)は、インターネットへの接続経路上に混雑しやすいポイントがあり、夜間にそこがボトルネックになることがありました。
IPv6(IPoE)方式では、この混雑ポイントを迂回してインターネットに接続できます。高速道路の渋滞を避けてバイパスを通るようなイメージです。
多くのプロバイダが無料または数百円程度のオプションとして提供しています。対応しているかどうかは、契約中のプロバイダに問い合わせるか、Webサイトで確認できます。ルーターがIPv6に対応している必要がありますが、ここ3〜4年以内に発売されたルーターならほぼ対応しています。
■ ルーターを買い替える
ルーターの寿命は一般的に4〜5年と言われています。5年以上前のルーターを使っている場合は、買い替えるだけで体感速度がかなり変わる可能性があります。
おすすめはWi-Fi 6以降に対応したルーターです。2026年現在はWi-Fi 7対応のエントリーモデルも1万円前後から購入でき、Wi-Fi 6対応モデルならさらに手頃な価格で手に入ります。いずれも複数の機器を同時に接続しても速度が落ちにくいという特徴があり、家族で使う環境には特に効果的です。
一人暮らしや1LDK程度ならWi-Fi 6対応の5,000円〜8,000円のモデルでも十分ですし、3LDK以上のお住まいや家族が多い場合はWi-Fi 7対応の10,000円〜15,000円のモデルを選ぶと安心です。
■ LANケーブルを確認する
意外と見落としがちなのがLANケーブルです。
LANケーブルにはカテゴリ(規格)があり、古いもの(CAT5)だと最大100Mbpsまでしか対応していません。ケーブルの表面に「CAT5e」や「CAT6」と印字されているので確認してみてください。もしCAT5だったら、CAT6のケーブルに交換しましょう。1,000円もかかりません。
【それでも改善しない場合は】
ここまでの対策を試しても満足できる速度が出ない場合は、契約内容や接続方式の見直しを検討するタイミングかもしれません。
同じ光回線でも、契約しているプランや接続方式によって実効速度にはかなり差があります。IPv6(IPoE)対応のプランへの変更や、回線プランのアップグレードで夜間の速度が大きく改善するケースも珍しくありません。
見直しの際にチェックしたいポイントは、現在の接続方式がIPv6(IPoE)に対応しているか、契約プランが自分の利用状況に合っているか、より上位のプランや接続方式への変更オプションがあるかどうか、の3点です。
【まとめ】
夜にネットが遅くなる問題は、原因さえわかれば対処できることがほとんどです。
まずはルーターの再起動や設置場所の見直しなど、お金をかけずにできることから始めてみてください。それでもダメならIPv6への切り替えやルーターの買い替えを検討する。それでも改善しなければ、契約プランや接続方式の見直しを考える。
こうやって段階的に試していくのが、無駄な出費を抑えながら問題を解決するコツです。
この記事が、快適なネット環境づくりの参考になれば幸いです。




