Y氏の空中散歩そして覚悟-1
こんにちは、法人満足室の義夫です。
皆さん、人生で「覚悟」を決めたことってありますか!?
当然あると思いますが、今回は自分の覚悟の瞬間を2つほど
お話したいと思います。
前後編で、今日は1つ目です。
※ブログ中の写真の人物は全て本人、Y氏ですよ、石井さん!
それは、新潟で過ごした学生時代のことです。
大した目的も持たずになった大学生でしたが、
一つだけ、はっきりとやりたいことが有りました。
ハンググライダーで空を飛ぶことです。
今もやってる鳥人間コンテストの影響ですね。
入学後、早速サークルに入り、空を目指します。
練習場は、新潟市から車で約2時間半の尾上岳です。
毎週末通って練習しました。
さて、皆さん、ハンググライダーの練習って、どんなものか
ご存知ですか!?それほど難しくなくて、例えるなら
重さ30kgで幅10mの傘を持って、強い向かい風の中、
急斜面を全力で駆け下りながらメガホンから流れる
インストラクターさんの指示に従うだけです。
運がよければ、少し浮いたりします。
どうです、簡単でしょう!?
◆練習場です!
でも自分にとっては難しくて、
走り出してもうまく風を掴まえることが
出来ず、全力疾走中に、
足が滑って、がっしゃーん!
風にあおられてガッシャーン!!
とにかくひたすらGASHAAAAAN!!!
と地面に突っ込んでいました。
もちろんガッシャーンの後は、次の
練習のために30kgの傘を持って自分の足で
急斜面を登ります。
最初の頃はとても空を飛べるようになるとは
思えませんでしたが、それでも不思議と
止めようという考えは浮かびませんでした。
とにもかくにもひたすらガッシャーンです。
ガッシャーンの後に空を見上げると、山頂の
テイクオフエリアから飛び立った機体が目に
入ります。目標はあそこです!
さて、ガッシャーンも回数を重ねることで
少しづつましになり、離陸、着陸っぽく
なってきます。
(※ここで、ハンググライダーの構造について。
ハンググライダーと人間は、ハーネスと呼ばれる
エプロンみたいなもので、結ばれています。
エプロンを着たら、それを機体に引っ掛ける
のです。)
◆ハーネスです。
◆こんな風に機体にぶら下がります。
うまく風を掴まえて機体が揚力を得ると
ハーネスが体をクイっと持ち上げ、すると
ちょっとだけ足が地面から離れます。
数秒飛んで、着陸です。
慣れるほどに走り出す場所を高くし、飛んでいる
時間を長くしていきます。練習場の一番高いところから
スタートして滞空時間は10秒くらいでしょうか!?
練習を開始して3ヶ月程経ち、ガッシャーンもほぼ
無くなったある日の夕方、インストラクターさんから
「お前、明日の朝、初飛び」とご指名をいただきました。
「初飛び」とは山頂からの初フライトを指し、大気が
安定している早朝に行います。
だいぶ練習はしました、でも不安が無いといったら嘘に
なります。
先輩方から不安を打ち消すような、しかし煽るような話を
お酒とともにいただきながら眠ると
ついに夢の使者に呼ばれる朝が来たのです。
何度も、飛び立つ人たちを見送った
山頂のテイクオフエリアに今度は自分が立ち、
風を待ちます。
◆テイクオフエリアです。端っこまで行けば
そこは崖です(誇張有)
山の風は脈動しています。強くなって、弱くなってを
繰り返します。
少しでも浮力がつくように風が強くなった時が
テイクオフのタイミングです。
吹き上げる風が強くなってきました、でもまだです。
周りの人たちは、「いい風だ」とか「もう少しかな」など
声をかけてくれますが、決して「行け」とは言いません。
出るタイミングを判断するのは、初心者であってもただ一人、
実際に飛ぶ自分だけです。
一旦空に出てしまえば最低でも10分前後は、自分以外の
力は借りられません。自分の判断だけが頼りです。
そうです、覚悟が必要なのです。自分の判断に自分を委ね、
その結果を引き受ける覚悟が。
強くなる風が決断を促し、迷いが無くなった時、覚悟を決めて
一歩を踏み出します。
ちなみに、この時ほぼ例外なくみんなあの言葉を叫びます。
そう、これ以外考えられないあの言葉、
「(義夫)いっきぃまあぁぁぁぁぁぁす!」
トトト
全力で走ります
ドドド
とにかく走ります。翼が風をはらみます!
ダダダダ・・・
不意に足裏に感じていた体重がなくなり、
練習場では感じたことが無かった程の
強い力でグイッと空中につまみ上げられ、視界が
一変に開けます。
それほど自由でもないけど、自分も鳥になれたのです。
◆初飛びです!
to be continued