アジサイのこと
ごきげんよう。高嶋日向子@社員満足室です。
梅雨に入ってからというもの、しとしと雨が続いて、
貴重な晴れ間を心待ちにして過ごしています。
そんなどんよりの季節ではありますが、アジサイが咲き始めるのもこの季節。
私の家の庭には、淡い青のアジサイが植えられていて、毎年咲くのを楽しみにしています。
このアジサイ、実は古くから日本に自生していた日本古来のお花なんだとか。
今は、世界中でも人気があるお花の一つではありますが、日本のアジサイが
世界に紹介されたことの発端はある外国人にありました。
彼こそが『日本植物誌』を執筆した、シーボルト氏です。
鎖国時代の出島に滞在していた医師で博物学者のシーボルトが、
ドイツに帰る際アジサイを持ち帰り、
【Hydrangea Hortensia Otaksa】
(ヒドランジア・ホルテンジア・オタクサ)
と名付けたことから、今や海外でもヒドランジアの名で愛されているアジサイ。
Hydrangeaはラテン語で水の器
Hortensiaは色の名前(淡い青)
そして
Otaksaは…
一説では【おたきさん】という女性の名前から…とされています。
シーボルトには大のお気に入りの遊女【其扇】(そのぎ)がおり、
その本名を楠本滝(くすもとたき)といいました。
シーボルトは彼女を「おたきさん」と呼び
二人の仲は国籍を超えて、非常に睦まじいものであったそう。
しかし、シーボルトは幕府禁制の日本地図を持ち出したことで
国外追放処分となり(シーボルト事件)
おたきさんを残して、ドイツへ帰らざるを得なくなりました。
最愛のおたきさんと突然に引き裂かれたシーボルト
深い悲しみを慰めてくれたのは、
日本の青い花。アジサイだったのでしょう。
その花に懐かしいおたきさんの面影を重ねて、
つけた名前が【Hydrangea Hortensia Otaksa】だったのですね。
シーボルトとおたきさん、そしてアジサイ
二人が再び会うことはあったのでしょうか
長雨の中
そんな昔々のお話に思いを巡らせていると
時間がたつのを忘れてしまう。
今日この頃です。